廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
詳細解体による廃パソコン中の金属含有量の推定
白波瀬 朋子貴田 晶子
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2009 年 20 巻 4 号 p. 217-230

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抄録
廃パソコンを詳細解体し,化学分析により40元素について全含有量を求めた。パソコン1台中の基板約1kg (電源基板を除く) には,Ag, Au, Pd, Al, Cu, Pbがそれぞれ,0.79, 0.14, 0.19, 91, 187, 17.8g含まれ,そのうちマザーボードに含まれる割合は,Ag, Au, Pdは58%,Cuは66%であった。廃パソコン11kgに含まれるAg, Au, Pd, Al, Cu, Fe, Zn, Nd, Pbの含有量はそれぞれ,0.79, 0.14, 0.19, 420, 320, 7,200, 77, 23, 20gであった。また,Ni, Sn, Sb, Mg, Mnは57, 28, 2.1, 1.6, 1.0gと推定した。含有量が0.02g以下の金属元素は,Co, Nb, Cd, Te, V, Ga, Sc, 0.01g以下の金属元素は,Se, Ta, As, Bi, In, Hf, Ir, Li, Pt, Tl, Y等であった。2004年の廃パソコンの発生量747万台から,年間に廃棄されるパソコン中の金属量 (廃製品から回収しうる最大量) を推定し,Au, Ag, Pdについてそれぞれ,1.1, 5.9, 1.4tonと見積もった。
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© 2009 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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