抄録
本研究では,ごみ排出原単位の大きく異なる宮崎県の2つの小都市を対象にフィールド調査を行い,ごみ発生抑制に対する行動や,可燃ごみ組成,ごみ袋重量を調査し,ごみ発生量に影響を与える要因について検討を行った。生活系ごみの中でも大きな割合を占める可燃ごみを中心に調査を行ったところ,自家処理実施割合や可燃ごみ袋あたりの重量,排出個数が異なることがわかった。調査結果をもとにした可燃ごみ排出原単位は両町で異なった。可燃ごみ排出原単位を外的基準とした数量化理論I類を用いた解析では,自家処理の影響が両町で異なることが示され,特に庭ごみの自家処理が可燃ごみ排出原単位の差に寄与していることがわかった。以上より,ごみの排出抑制のためには地方小都市の特徴を生かして,庭などがある家では家庭菜園を行い生ごみを堆肥として用いる等,積極的に自家処理を進めることが効果的である。