廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
最終処分場余水処理工程で活性炭に吸着保持された有機フッ素化合物の熱処理による挙動
高田 光康山本 周作西岡 良太竹峰 秀祐田中 周平藤井 滋穂渡辺 信久
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2013 年 24 巻 6 号 p. 105-112

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抄録

最終処分場余水中の有機フッ素化合物(PFCs) が吸着した活性炭を,空気気流中で熱処理した後,酸素気流中で燃焼分解させ,ガス吸収液に捕集される無機フッ素(F) を調べた。空気気流中では,熱処理温度600℃までは温度上昇とともにFの捕集量は増加したが,熱処理温度700℃以上では燃焼分解と合わせた総捕集量が低下した。この理由は,活性炭表面の炭酸カルシウム等のアルカリ成分が熱処理温度の上昇に伴い活性化し,Fを固相に保持するためであると考え,活性炭を精製水もしくは希硫酸で洗浄した後,Fを計測する実験を実施した。その結果,精製水洗浄ではF回収量は熱処理温度の上昇に伴い低下したが,希硫酸洗浄では500~800℃の熱処理で変化はなく106~114 μg g−1であった。この量は活性炭に捕集された総PFCsと見なされ,同地点での採取試料で定量された同定可能なPFCsの濃度5~14 μg g−1の約10倍となった。

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© 2013 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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