持続可能な廃棄物処理を行う上で,廃棄物の収集運搬や処理の方法が費用に与える影響を把握することは重要である。廃棄物処理費用に関する既存の計量経済分析では,収集運搬・中間処理・最終処分の部門ごとの分析や,単独で事業を行う市町村と一部事務組合等との比較検討は不充分であった。本研究では,収集運搬・中間処理・最終処分の部門ごとに,単独で廃棄物処理事業を行う市町村と一部事務組合等の違いも考慮して,一般廃棄物の収集運搬・処理費用に関する計量経済分析を行った。分析の結果,収集運搬・中間処理・最終処分の全部門で規模の経済が確認され,特に中間処理と最終処分でそれが顕著であることがわかった。単独で収集・処理を行う市町村と比べ,組合等では収集運搬に係る平均費用が低く,また全部門で規模の経済の効果がより大きいことを明らかにした。組合等における費用削減要因として,委託費抑制による可能性を指摘した。