2023 年 34 巻 p. 93-105
本報告では,全国市区町村アンケート調査に対する 747 件の回答結果をもとに,平時の廃棄物関連業務の実態を災害廃棄物処理の観点から整理し,自治体規模別の特徴を明らかにするとともに,平時における災害廃棄物対策のあり方について検討を行なった。その結果によれば,人口規模が小さくなるほど担当職員の不足を感じながら業務をこなしており,住民からの問い合わせ対応,収集運搬の実務等を優先的に行う一方,処理計画策定等は業務負担が大きく,業務そのものを実施していない割合も高い。ただし,被災経験のある自治体の調査結果によれば,ごみ処理実施計画の策定が有効であることが示唆された。ごみ処理の流れを体系的に理解・整理する機会を得ることが,住民からの問い合わせ対応とあわせ平時における対策の強化点となることが示唆された。