日本母性看護学会誌
Online ISSN : 2434-6187
Print ISSN : 1345-773X
原著
初めて父親になる夫が妊娠中の妻と共に子どもを迎えいれていく経験
井出 彩織阿部 正子
著者情報
ジャーナル フリー

2022 年 23 巻 1 号 p. 1-8

詳細
抄録

目的:初めて父親になる夫が妊娠中の妻と共に子どもを迎えいれていく経験を明らかにする。
方法:初めて父親になる夫10名を対象に半構成的面接を実施し、修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ(M-GTA)にて分析を行った。
結果:初めて父親になる夫が妊娠中の妻と共に子どもを迎えいれていく経験は【手探り状態の妊婦との生活】から始まっていた。そうした手探り状態を安定させる契機である【子どもの育ちの実感】、【妻に共感するための転機】を手がかりに、【家庭優先の役割調整】が試みられ、最終的に【妻との連帯感獲得の手応えをつかむ】ことに至っていた。
考察:初めて父親になる夫は、妻の妊娠初期に不安定さを抱えていることが本研究で明らかとなり、初めて父親になる夫が妊娠経験者と交流する機会を確保できるよう支援していくことが大切であることが示唆された。

著者関連情報
© 2022 一般社団法人 日本母性看護学会
次の記事
feedback
Top