2022 年 15 巻 1 号 p. 67-77
【目的】
女子大学生アスリートを対象に、食事調査、ビタミンB1とCの血中濃度や不定愁訴を含めた栄養アセスメントを実施してそれらの関連性を明らかにし、アスリートのビタミンB1・C栄養の評価法を検討することを目的とした。
【方法】
大学女子バスケットボール選手7名(アスリート群)と、一般女子大学生14名(一般学生群)を対象に、3日間の食事調査、ビタミンB1、C濃度を含む血液検査、不定愁訴調査を実施して項目間の関連性を検討し、特にビタミンB1、Cの摂取量とそれらの血中濃度、不定愁訴との関連性を検討した。
【結果】
アスリート群において血中ビタミンB1濃度は、食事によるビタミンB1摂取量(mg/1,000 kcal/日)と有意な正の相関関係を示した。一方で、一般学生群では、このような関係性は認められず、ビタミンCについては両群とも関連性は認められなかった。また、不定愁訴数と、食事調査結果ならびに血中指標との関連性は両群ともに認められなかったが、不定愁訴では「口内炎ができやすい」は一般学生に比較して有意に有訴率が高く、一般学生群に多い有訴内容と異なった。
【結論】
アスリートの栄養アセスメントにおいて、ビタミンB1栄養評価では、食事調査のほか、アスリートに特化した不定愁訴やビタミンB1血中濃度を合わせて評価する重要性が示唆された。ビタミンC栄養の評価法についてはさらなる検討が必要である。