抄録
2014年3月28日に厚生労働省健康局より「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」の報告書が示された。今回の改定では、①目的に生活習慣の重症化予防が加わった、②食事のアセスメントの重要性や注意事項の記載が増えた、③エネルギー摂取量の過不足を体重で評価することが強調され、目標とするBMIの範囲が示された、④エネルギー産生栄養素バランスが示された、⑤目標量の変更や追加がされた、⑥参考資料として生活習慣病とエネルギー、栄養素の記述がされた。食事摂取基準は、各栄養素の過不足を避けることと生活習慣病の予防・重症化予防をアウトカムとして策定されているので、競技力向上においては、参考にはなるが活用には注意が必要である。また、競技レベルに関わらず、目標とするBMIの評価では、筋肉の比重が体脂肪に比べて大きいことを考慮して活用する必要がある。生活習慣病予防・重症化予防におけるスポーツ栄養としては、各生活習慣病における肥満の位置づけが整理された意義は大きい。しかし、身体活動によるエネルギー消費量とエネルギー必要量の関係は今の時点では明確でなく、食事摂取基準と身体活動基準の両方からの整理が必要である。