日本看護研究学会雑誌
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術前不安に対する筋弛緩訓練の効果
木村 紀美中川 克子沼田 みゆき花田 久美子米内山 千賀子福島 松郎川上 澄
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1989 年 12 巻 2 号 p. 2_7-2_13

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抄録
 術前の患者34名を対象に、心理テスト(CMI、MAS、Y-Gテスト)を行い、さらに術前の不安を緩和するために、Jacobson-Wolpeの筋弛緩訓練を指導した。その効果はSTAI-I・IIを用いて評価し、心理テストとの関連をみた。以下のような成績を得た。
1. 筋弛緩訓練を実施することにより、術前患者の状態不安(STAI-I)、特性不安(STAI-II)ともに有意に減少し、術前不安の軽減方法の1つとして極めて有用であることが示された。
2. 特にCMIの成績からは正常と判定されるものにも、神経症的と判定されるものにも優れた効果がみられた。
3. MASの成績からは、不安の高い患者により有効であることが明らかにされた。
4. Y-Gテストの成績からは、情緒的安定・社会的適応型に特に有用であることが明らかにされた。
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© 1989 一般社団法人 日本看護研究学会
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