日本看護研究学会雑誌
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最新号
選択された号の論文の9件中1~9を表示しています
  • 工藤 千賀子, 工藤 せい子
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_851-5_860
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/25
    ジャーナル フリー

    本研究は,筋ジストロフィー患者をケアする看護者の性役割態度認識と倫理的行動の関係を明らかにすることを目的とする。対象者は,筋ジストロフィー患者が入院している病棟を有する病院に勤務する看護者とし,無記名自記式質問紙調査で,「平等主義的性役割態度スケール短縮版(SESRA-S)」と「倫理的行動尺度」を用いた。対象者は,看護師126名,介護士31名であった。看護師では「SESRA-S」と「倫理的行動」および下位尺度のすべてに,介護士では「公正」以外の尺度と正の相関がみられた。看護師・介護士別の比較の結果,独立変数「性役割態度」は採択されなかった。性役割態度は,筋ジストロフィー患者をケアする看護者に共通した傾向を持ち,患者をひとりの人間として尊重し,倫理的行動認識を高めることによって,患者のセクシュアリティを尊重したケアができる可能性が示唆された。

  • 坂本 結美子, 香月 富士日
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_861-5_870
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/06
    ジャーナル フリー

    目的:看護系女子学生の精神的健康を効果的に支援するため,学生からみた母親の養育態度に着目し,青年期後期にある学生のコーピング,精神的健康との関連を明らかにした。
    方法:3年課程看護専門学校に通学する1,2年生の女子学生648人を対象とし,無記名自記式質問紙を用いて横断研究を行った。
    結果:本対象は同年代である大学生に比べて,精神的健康の低下が示された。精神的健康の良群と不良群を従属変数としたロジスティック回帰分析を行った結果,コーピングの「自己非難」を実行しやすい学生は,精神的健康の不良群になる確率が5.8倍であり,母親の養育態度群である「冷淡支配群」の学生は精神的健康の不良群になる確率が2.2倍であった。
    結論:看護系女子学生へのメンタルヘルス支援において,母親の養育態度を冷淡支配群として認識し,かつ,「自己非難」を実行しやすい学生を優先して支援することが有効であると示唆された。

  • 路 璐, 北池 正, 池崎 澄江
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_871-5_879
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    目的:中国の中堅看護師の看護研究活動の実態を把握し,看護研究活動と専門職的自律性の関連を明らかにした。
    方法:中国の大学病院に勤務し,2012年以降中級職名を取得した中堅看護師111名を対象に質問紙調査を2015年7月に実施した。専門職的自律性はNursing Activity Scaleで測定し,研究方法を使う能力は5つの研究方法の理解の程度で測定し,また,研究への認識について回答をもらった。
    結果:有効回答107名で,臨床経験年数は16.0±3.6年,自律性得点は191.4±18.1点と高かった。中級職名を取得して研究経験がある者は21.5%であった。研究方法を使う能力がある者は79%以上であった。研究の重要性は89%以上が認識していた。これら2因子が高い看護師は,自律性が有意に高かった。
    結論:中国の中堅看護師に対し,専門職的自律性を高めるためには,実践能力の向上に加え,研究活動への支援が必要なことが明らかになった。

  • 青木 頼子, 中山 和弘
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_881-5_888
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    目的:カルテレビューから,回復期リハビリテーション病棟における脳卒中高齢者の退院先への影響要因を明らかにする。
    方法:研究対象は,65歳以上の脳卒中患者の退院・転院時看護要約,リハビリ総合実施計画書,医療ソーシャルワーカーの記録とした。調査内容は,基本属性,ADL,障害,環境面,さらに看護課題,患者と家族の希望欄の記述の数値化を行った。分析方法は,単純集計,2変数の関連の分析と多重ロジスティック回帰分析を行った。
    結果:脳卒中高齢者の非自宅に対する自宅のオッズ比(95%信頼区間)は,「FIM:退院時の更衣(下半身)」1.78(1.11−2.85)で有意に高く,「摂食障害」.19(.04−.96),「家族の退院先希望(非自宅退院明確)」.08(.02−.38)で有意に低かった。
    考察:摂食障害や更衣(下半身)へのチームアプローチの強化,家族の希望と折り合う必要性が示唆された。

  • 岩佐 由貴, 加藤 真紀, 原 祥子
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_889-5_897
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/10/11
    ジャーナル フリー

    目的:初発脳卒中で急性期病院に入院した高齢患者の子が親の入院中に抱く思いを明らかにする。
    方法:急性期病院に入院した65歳以上の初発脳卒中患者の子10名に半構造化面接を行い質的記述的に分析した。
    結果:高齢脳卒中患者の子は,親が突然に【脳卒中になったことに衝撃を受ける】思いを抱いていた。親の命が危機にさらされることで改めて【親の生は尊い】とし,親が脳卒中を発症したことや障害を負ったことに【自分にはどうしようもないから心が痛む】と思っていた。それでもやはり,親には脳卒中発症前の【もとの姿を取り戻してほしい】と願い,治療にのぞむ親に対して【子としてできることをしてあげたい】が,障害を負った親と自分の【今後の生活が悩ましい】という思いを抱いていた。
    考察:看護師は高齢脳卒中患者の子が抱く思いを理解し,衝撃や苦悩を和らげるとともに,子としての役割を果たせるよう支援することの重要性が示唆された。

  • 仲下 祐美子, 河野 益美
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_899-5_910
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/21
    ジャーナル フリー

    目的:わが国における保健師教育に関する研究の動向を整理し,今後の研究上の課題を明らかにする。
    方法:『医中誌Web』および『NII学術情報ナビゲータ』を用いて「保健師」「公衆衛生看護」「学生」をキーワードに,2011年〜2018年末の発表論文を検索した。分析対象論文は103件とした。
    結果:研究テーマに関する頻出上位語は「実習」「学習・学び」「到達・到達度」「演習」「技術・技術項目」「評価」「検討」「比較」「分析」「導入」であり,近年の新たな頻出語は「講義・授業」「実践能力」「アクティブ・ラーニング」「導入」「構築」「育成」であった。研究対象は学生が84.5%であり,教員や実習指導者の研究はわずかであった。
    結論:保健師教育の成果は学生を対象とした研究で評価・検討するだけでなく,今後の研究では教員の教授方法や実習指導者などの教育的かかわりなど,両側面から検討することが必要である。

  • 湯浅 香代, 三宅 茉里奈, 森本 美智子
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_911-5_920
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/21
    ジャーナル フリー

    目的:退院支援看護師が退院支援を行う際の思考過程を明らかにし,よりよい退院支援を行うためのさらなる課題を検討することである。
    方法:退院調整部門で勤務する看護師4名に対し半構造化面接を行い,データ分析には質的分析法を用いた。
    結果:退院支援看護師は,患者が満足できる退院支援を行いたいという【常に根底にある思い】をもち,【本人と家族の情報をすりあわせて支援の方向を探る】ことをしながら,患者・家族が納得できるゴールを目指していた。また,よりよい退院支援を行うために,【医療者のみに限らずまわりの人々の知識や経験を取り込む】ことや【病棟の看護師を退院支援に巻き込む】ことを意識していた。退院支援看護師には,退院後の患者の生活の実態を知ることのできない現状に葛藤もあった。
    結論:退院後のモニタリング・評価の体制を整えること,病棟看護師の退院支援に関する関心を高めていくことが課題である。

  • 白砂 恭子, 渕田 英津子
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_921-5_931
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/11/08
    ジャーナル フリー

    目的:日本における高齢者が健康に独居生活を送れる条件を検討する。
    方法:『医中誌Web』で検索し,18件を分析対象文献とした。
    結果:高齢者自身の条件である〔個人の特性〕〔意図した活動〕〔日常生活活動の維持〕と,高齢者を取り巻く条件である〔孤独との向き合い方〕〔安心できる生活環境〕が抽出された。高齢者が健康に独居生活を送る記述内容は,19の身体的健康,20の精神的健康,27の社会的健康に分類された。
    結論:高齢者自身の条件は,生活習慣や価値観などは個々で大きく異なるため,高齢者自身が物事を能動的に決定できることが健康な生活の継続に関係していると推察された。また,高齢者を取り巻く条件は,他者との関係性や生活環境が要因になると考えられた。さらに,社会的健康が多く分類されたことから,高齢者が健康に独居生活を送るためには人や社会とのつながりが重要であることが示唆された。

  • 鷲尾 和, 東野 督子, 西片 久美子
    2019 年 42 巻 5 号 p. 5_933-5_945
    発行日: 2019/12/20
    公開日: 2019/12/20
    [早期公開] 公開日: 2019/12/06
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,救急外来における救急患者の家族に対する看護実践の実態を明らかにするとともに,家族看護実践に関連する要因を検討することである。救急救命センターの救急外来に勤務する看護師と看護師長を対象に自記式質問紙調査を実施した。看護師167名と,看護師長17名を分析対象とした結果,救急外来における家族看護実践の程度の高いカテゴリーは,「信頼関係構築」「情報提供」であった。家族看護実践の程度に関連する要因は,認定看護師や職位のある看護師,自主的に学ぶ看護師,ロールモデルの存在,救急外来の混雑を防ぐことができる人的・物理的環境であった(p<.05)。家族看護実践度の高い看護師は,家族のかかわり方に困難を感じておらず,家族を意識した看護実践を行っていた。家族看護実践の程度を高めるには,家族看護を学ぶ場の提供,人材育成システムの整備,人員の充足,とくに準夜帯での充足が重要であることが示唆された。

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