目的:植込型補助人工心臓(LVAD)装着者の配偶者である介護者が新しい生活を探っていくプロセスを明らかにすることである。方法:対象者7名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチを用いて分析した。結果:介護者が新しい生活を探っていくプロセスには【覚悟を重ねる】,【緊張で張り詰める】,【折り合いのつけ方を探る】,【不協和音が生じる】,【LVADが生活に馴染む】の5つの段階がある。【折り合いのつけ方を探る】段階では,装着者の調子や介護者への態度によってプロセスが分岐することがある。プロセスには夫婦以外の他者からのサポートのあり方が影響する。結論:LVADによって介護者の生活には様々な変化が生じるが,プロセスが進むにつれて介護者はLVADがある生活との折り合いをつけていき,LVAD管理のルーティン化と,介護者と装着者の関係の再構築がなされることが示された。
目的:婦人科がん患者に対する性生活支援の状況と支援構造を検討する。方法:全国がん診療連携拠点病院の婦人科病棟看護師に対し自記式質問紙を用いて調査し因子分析を行った。結果:940名に調査票を郵送し有効回答365部を分析した。看護師は,主として手術後の退院指導で性生活に関する説明をしていた。性生活支援において,患者への情報提供として【化学療法や放射線療法に関する情報提供】,【手術療法に関する情報提供】,【今後の性生活に関する情報提供】,【性交渉とがんの伝染と再発に関する情報提供】,支援における関わり方や相談対応として【性生活支援における基本的コミュニケーション】と【性生活に関する具体的な話し合い】の因子が抽出された。多くの看護師は性生活に関する情報提供の必要性を認識する一方で実施割合は低く困難感が高かった。結論:実際の支援状況が明らかとなり,今後,関連要因を解析し改善策について検討する。
目的:臨地実習前後での看護学生が持つエイジズム及び高齢者に関する知識の変化,さらにはエイジズムと高齢者に関する知識の関係性を明らかにする。方法:A大学3年次の看護学生64名に対し,2019年度の臨地実習前後で,日本語版Fraboniエイジズム尺度短縮版14項目(FSA),The facts on Aging Quiz 22項目(FAQ)を含めた質問紙調査を実施し,比較した。結果:実習後は,実習前に比べてFSA得点が低くなった(p<.001)。一方でFAQ得点は,実習前後で有意な差はみられなかった(p=.21)。さらには,エイジズムと高齢者に関する知識には相関関係はみられなかった。結論:臨地実習での経験は,看護学生が高齢者を肯定的に捉えることにつながると示唆された。