喉頭全摘出術を受けた40名を対象に、MAS不安テスト、CMI健康調査、Y-G性格検査の心理テストと質問紙による調査を行った。そして患者の背景から無喉頭者の心理状態を検討し、以下のような結果を得た。
1. 現在特に心配していることは、発声、再発、随伴症状、社会復帰についてであり、発声に関する心配が最も多かった。
2. 社会復帰の心配は、術後1年未満の者に多かった。代用音声で会話が可能な者では、特に心配なしとする者が有意に多かった。
3. MASの成績からみると、不安の程度が高いほど再発を心配している者が多かった。
4. MASによる高不安の者は、神経症的傾向の強いもの、情緒不安定・社会的不適応型性格傾向の者、術後4~11か月経過した者が多かった。