日本看護研究学会雑誌
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喉頭全摘出術を受けた患者の心理状態
木村 紀美清川 浩美米内山 千賀子花田 久美子福島 松郎
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1989 年 12 巻 4 号 p. 4_9-4_14

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抄録

 喉頭全摘出術を受けた40名を対象に、MAS不安テスト、CMI健康調査、Y-G性格検査の心理テストと質問紙による調査を行った。そして患者の背景から無喉頭者の心理状態を検討し、以下のような結果を得た。
1. 現在特に心配していることは、発声、再発、随伴症状、社会復帰についてであり、発声に関する心配が最も多かった。
2. 社会復帰の心配は、術後1年未満の者に多かった。代用音声で会話が可能な者では、特に心配なしとする者が有意に多かった。
3. MASの成績からみると、不安の程度が高いほど再発を心配している者が多かった。
4. MASによる高不安の者は、神経症的傾向の強いもの、情緒不安定・社会的不適応型性格傾向の者、術後4~11か月経過した者が多かった。

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© 1989 一般社団法人 日本看護研究学会
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