日本看護研究学会雑誌
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コットのwarming-upに関する基礎的研究
-新生児収容前の保温-
岩本 仁子阪口 禎男
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1990 年 13 巻 2 号 p. 2_7-2_14

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抄録
 新生児の初期体温下降を最小限にする方法の一つとして,出生直後の新生児を収容するコットを湯たんぽや電気あんかを用いて温めておく方法がある。そこで今回,我々はこれらの器具が新生児収容前のコットに設置された場合,どのようにコット表面温度を上昇させ,またその効果のおよぶ範囲はどれくらいであるのか,またその有効持続時間はどのくらいであるのかについての基礎的研究を行なった。測定にはサーモグラフィ及びサーミスタを用い,サーミスタにより得られた値には,修正指数関数回帰による回帰解析を加えた。
 今回の実験条件下では,湯たんぽを使用する場合には,設置後15分で安定状態となるが,60分をすぎるとその効果の見直しが必要となることがわかった。器具から10cm以上離れると効果は得られない。
 電気あんか(中温)を使用する場合には,新生児収容前40分から設置することが望ましい。器具から5cm以上離れると効果は得られない。
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© 1990 一般社団法人 日本看護研究学会
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