日本看護研究学会雑誌
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看護ケアとしての足部マッサージ中および終了後における自律神経活動指標の評価
井草 理江青木 健亀田 真美岩崎 賢一松田 たみ子真砂 涼子
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2008 年 31 巻 5 号 p. 5_21-5_27

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抄録
  本研究では,足部マッサージの効果について自律神経活動指標の評価から検討した。女子学生18名を被験者とし,半坐位姿勢にてマッサージ群(9名)には20分間のマッサージ(足底・足指および足首周囲~下腿部を左右各10分)を実施,対照群(9名)には全測定期間を通じ,安静を保持させた。マッサージ開始から2分目までに心拍数の有意な低下と心拍変動のスペクトル解析による高周波成分(0.15-0.40 Hz)の有意な上昇がみられた。一方,マッサージ終了後には心拍変動および血圧変動解析による両低周波成分(0.04-0.15 Hz),心拍変動の高周波成分に有意な上昇がみられた。これらより,足部マッサージ初期より心臓副交感神経活動が刺激されるだけでなく,終了後は心臓自律神経や血管運動性交感神経の活動性が亢進することが示唆された。したがって,足部マッサージには自律神経活動を促進させる看護ケアとしての活用が考えられる。
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© 2008 一般社団法人 日本看護研究学会
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