日本看護研究学会雑誌
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女性看護師の腰痛の有無と身体・心理・社会的姿勢に関連する因子とその様相
武田 啓子渡邉 順子
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2012 年 35 巻 2 号 p. 2_113-2_122

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抄録
  女性看護師の腰痛の有無と身体・心理・社会的姿勢に関連する因子を抽出し,その様相を明らかにすることを目的とした。4年制看護系大学卒業後1年目と5年目の女性看護師8名を対象に腰痛の有無別グループに各2名ずつ配置し,半構造化グループインタビューによりデータ収集し,テキストマイニング分析と共起ネットワーク分析により質的データを可視化した。結果,腰痛のある看護師は,腰痛の要因は身体的姿勢に重きをおき,自分自身の身体的姿勢に関して主観的あるいは客観的に意識しているが,他者や作業効率を優先し身体的姿勢だけでなく心理・社会的姿勢の負担が重くなる様相を示した。腰痛のない看護師は,自分自身の身体的姿勢や腰への負担感および他者への姿勢や腰痛を意識することで,自分の姿勢を評価,調整し対処行動も高い様相を示した。心理・社会的姿勢に対する意識が高く,適切な対処行動をとることで腰痛を予防していることが示唆された。
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© 2012 一般社団法人 日本看護研究学会
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