教育入院後に再入院した2型糖尿病患者の特徴と再入院に至る要因を明らかにすることを目的に,A病院に糖尿病教育目的で入院した2型糖尿病患者のうち,再入院患者25名(以下再入院群),初回入院患者18名(以下初回入院群)に対し,聞き取り調査を実施した。
再入院群は初回入院群に比べ,入院時のHbA1cに差はなく,合併症併発割合は高率傾向であった。療養行動における知識習得状況は再入院群で有意に高率であったが,その実践状況に差はなかった。再入院群は療養生活における支援者のある者は有意に低率であり,療養生活において孤独感を感じ,時間経過とともに都合のよい判断によっておのおのの療養行動の中断や低下を招いていた。今回の入院で受けた教育に差はなく,再入院群のなかには退院後も従来どおりの生活を送るとした者がいた。以上のことより,再入院を予防するためには,その特徴をふまえて,きめ細やかな継続性のある支援が必要である。