2013 年 36 巻 1 号 p. 1_141-1_148
目的:新人看護師の精神的支援策として臨床心理士がグループカウンセリング(以下,G.C.)を行い効果や影響について検討した。
方法:2006年5月と9月にG.C.を行い,調査に同意した5月63人,9月64人を解析対象とした。気分・感情状態は日本語版POMS短縮版で調査し,G.C.後に主観的評価12項目,9月は5月G.C.以降の同僚との支援状況4項目を調査した。対象者を健全群,要注意群,受診考慮群に分類し,3群間で比較した。
結果:5月・9月ともに,G.C.後は健全群が有意に増加していた。主観的評価では「自己の振り返りができた」他3項目,同僚との支援状況では「2.悩みや苦痛などへは自分なりに対処できている」「3.悩みや苦痛などが共有できがんばれている」で,それぞれ健全群が有意に高値であった。
結論:G.C.は,新人看護師の精神的支援策として効果的であることが示唆されたが,受診考慮群ではさらに個別支援が望まれる。