2014 年 37 巻 2 号 p. 2_71-2_79
【目的】新人看護師のリアリティ・ショックの現状を理解し,大学から臨床へのスムーズな移行を促す看護基礎教育のあり方を探ること。
【研究方法】A大学を卒業後,A大学の附属病院に就職した新人看護師10名を対象に,質的研究の記述的現象学を用い実施した。本研究はA大学医学部とA大学病院看護部の倫理委員会の承認を得て実施した。
【結果】新人看護師のリアリティ・ショックの要因として,①求められる能力のハードルが高すぎ,何もできない自己に対するショック,②職場における先輩との人間関係がクローズアップされ,基礎教育のときから臨床現場に即した看護ケア,high riskケアと接遇の必要性が明らかになった。
【考察】安全で質の高い臨床実習を保障するため先進国が実施している大学と臨床が協働で取り組むシミュレーション教育のシステム構築の必要性が示唆された。