目的:本研究の目的は,“糖尿病である体の認識”に着眼し,男性2型糖尿病患者の血糖コントロールにつながる運動実施に関係する因子間の構造を明らかにすることである。
方法:対象は40代~70代の男性2型糖尿病患者137名であり,探索的因子分析,構造方程式モデリング(SEM)の手法を用い分析を行った。
結果:本研究にて新たに着眼した,“糖尿病である体の認識”のなかの‘筋肉のある体つき認識’‘負担をかけることのできる体認識’の2因子を構造モデルに投入することができた。そして,この構造モデルは,その2因子を含む7つの因子をもち,HbA1cや療養行動および食行動への意識に影響を与える構造を示すものであった。
結論:男性2型糖尿病患者における特有の構造モデルを明らかにすることができ,今後の運動療法指導において重要な視点を見出すことができた。