日本看護研究学会雑誌
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死と臨死患者の看護に対する看護婦の態度に関する研究
柏原 貴子鈴木 恭子植田 和美瀬尾 クニ子野島 良子
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1981 年 4 巻 2 号 p. 2_25-2_32

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抄録

 死と臨死患者の看護に対する看護婦の態度を明らかにするために,臨床の看護婦244名を対象に質問紙調査を行ない,看護婦の臨死患者の看護経験と,(1)看護婦自身の死に対する態度,(2)患者の死に対する態度,(3)臨死患者の看護に対する態度,との関係を検討した。
 結果:看護婦は,(1)死に対して不安で憂うつなイメージを抱いており,(2)臨死患者に病名を悟られないようにふるまい,(3)患者とともに死と死にゆくことについて語り合おうとしていない。
 また,臨死患者の看護経験が増すにつれて,看護婦は,(1)死をありのままに見つめ,(2)臨死患者に対して病名を悟られないようにふるまい,(3)臨死患者が「私は死ぬのではないか」などと口にした時,コトバや行為によって否定する傾向があるといえる。

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© 1981 一般社団法人 日本看護研究学会
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