日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
Print ISSN : 2188-3599
ISSN-L : 2188-3599
終末期がん患者の家族介護者へのSelf-Perceived Burden
大﨏 美樹佐々木 由紀谷村 千華
著者情報
ジャーナル フリー

2017 年 40 巻 2 号 p. 2_113-2_118

詳細
抄録

本研究の目的は,介護が必要な状態となり,被介護者が介護者に対して負担をかけていると感じること(Self-Perceived Burden:SPB)について,終末期がん患者の家族介護者へのSPBの内容を明らかにすることである。入院前に自宅において家族から介護を必要とした緩和ケア病棟入院中の終末期がん患者11名に半構成的面接法を実施し,分析には内容分析を用いた。終末期がん患者のSPBの内容として,【一方的に負担をかけお返しできない申し訳なさ】【自分の活動や役割を補わせ負担をかける申し訳なさ】【家族の生活に支障をきたす申し訳なさ】【がんの進行に伴い死を見据えた負担増加への申し訳なさ】【疲労させてしまうという心配】【最後は家族のために責任を果たしたいという苦悩】が導き出された。本研究結果は,終末期がん患者の視点に立脚したSPBの理解を深め,終末期がん患者への看護支援の一助になると考える。

著者関連情報
© 2017 一般社団法人 日本看護研究学会
次の記事
feedback
Top