慢性疾患患者の療養生活に関するセルフマネジメント尺度の現状と課題

抄録

【目的】がん患者のセルフマネジメント支援への活用に向けた示唆を得るために，慢性疾患患者の療養生活に関するセルフマネジメントおよび類似概念の尺度の現状と課題を明らかにすることとした。
【方法】文献検索は医中誌Web，CiNii，MEDLINE，CINAHLを使用し，尺度名に“セルフマネジメント・自己管理”“セルフケア”“自己制御・セルフコントロール”の用語が含まれる尺度開発文献46件を分析した。
【結果】セルフマネジメントは意思決定に基づく問題解決のプロセスであり，医療者との協働が含まれるものとしてとらえられていた。信頼性と妥当性が確保された尺度は測定概念が定義づけられ，複数の因子構造であった。
【結論】がん患者のセルフマネジメント支援を行うためには，治療やそれに伴う障害に応じた特定領域に焦点を当て，身体的・心理社会的課題に対するセルフマネジメント能力をアセスメントできる尺度を開発することが必要である。