日本看護研究学会雑誌
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産婦人科病院・診療所の助産師が「気になる親子」を他機関への情報提供ケースとして確定するプロセス
─ 子ども虐待の発生予防を目指して(第1報) ─
唐田 順子市江 和子濱松 加寸子山田 和子
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2019 年 42 巻 1 号 p. 1_75-1_85

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抄録

目的:産婦人科病院・診療所の助産師がどのように「気になる親子」に気づき,情報提供ケースとして確定していくのか,そのプロセスを明らかにする。
方法:助産師8人を対象としたインタビューで得られたデータを,M-GTAの手法で分析した。
結果:産婦人科病院・診療所の助産師が「気になる親子」を情報提供ケースとして確定するプロセスは,助産師が子ども虐待の観察の視点をもったうえで,【援助のなかでリスクを探る】ことで,【気になるサインに気づく】。助産師・師長という【担当者が中心となり確認・判断・対応を担う】ことにより,【長期的な子育てを見据え判断する】。【院長という権限者の方針】に沿い結論を出し,本人・家族の【同意のハードルを越える】ことであった。
結論:担当者が中心となり対応し,窓口の一本化ができていた。院長という権限者の影響が大きい,リスクの探索や確認の困難な環境があるという特徴があった。

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© 2019 一般社団法人 日本看護研究学会
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