2024 年 47 巻 1 号 p. 1_85-1_95
目的:卒後2〜3年目に退職した看護師の就職から退職を決断するまでのプロセスを明らかにし,就業継続を阻害した要因を検討する。方法:卒後2〜3年目に退職した看護師9名に半構造化面接を行い,修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチにより分析した。結果:退職した看護師は,職場の仕事や人間関係に悩み【辞めたい気持ちの慢性化】を起こしながらも,できる仕事を増やす【看護師としての基盤づくり】を行い,2〜3年を区切りに【最初の職場を去る決断】をしていた。結論:先輩看護師との従属関係や克服できない苦手な先輩看護師の存在,先輩看護師が実践する看護に好意的な感情を持てなかったことが就業継続を阻害した要因であった。成長の自覚や労働時間への不満,求める職場環境との乖離が退職の決断に影響していた。上司である師長が退職した看護師の仕事や人間関係の悩みに気づき対応したり先輩看護師との関係構築を支援したりする必要があった。