論文ID: 20170113010
目的:摂食障害者の両親の属性と生活困難感との関連を明らかにする。方法:摂食障害者の両親を対象に自記式質問紙調査を行った。質問紙の構成は,属性5項目と生活困難度尺度15項目とした。結果:両親の続柄と「経済的負担がある」「一家団欒の機会が少なくなった」(p< .05)との関連,患児の同居の有無と「将来設計が立てられない不安がある」(p< .05)との関連を認めた。さらに,患児に費やす1日平均時間において,「患児の世話で仕事に出られない」「一家団欒の機会が少なくなった」「自由に外出ができない」「将来設計が立てられない不安がある」(p< .05),「自分だけの時間がもてない」「患児の世話で心身ともに疲れる」(p< .001)との関連を認めた。結語:両親の属性は,生活上の困難感に影響を与えることが示された。属性によって困難感に違いが生じることを考慮し,支援する必要がある。