論文ID: 20180706031
本研究の目的は,青年期以前に発症した中年期のクローン病患者がこれまでどのように生活を再構築してきたのか,今後どのように病気とともに生活しようと考えているのかを明らかにすることである。中年期クローン病患者7名を対象とし,半構成的面接から得られたデータを質的に分析した。その結果,[再構築の契機となる経験][調子のよさを維持させる][体調コントロールの軸は自分][体調を優先させて生きる強さをもつ][自分の感覚が頼り][体得した自分流の工夫を生活に組み入れる][加齢や合併症出現による将来の生活の不安]の7つのカテゴリー,[乗り越えてきた喜びと自信][豊かに生きていく]の2つのコアとなるカテゴリーが抽出された。生活の再構築は繰り返され,病気や加齢による影響をふまえ,自分らしく豊かに生きていこうとするものであった。患者が自分流の工夫を実践し振り返りながら修正させ発展できるような支援が必要である。