論文ID: 20180920034
目的:がん患者に受動的筋弛緩法を介入し,その評価を生理的・主観的指標より明らかにすることである。
方法:がん患者8名に受動的筋弛緩法を3日間介入し,介入前後に収縮期・拡張期血圧値と脈拍数の測定,介入後にインタビューを実施した。ウィルコクソン符号順位検定と内容分析の手法にて分析を行った。
結果:脈拍数は,1日目において,実施後,有意に減少した(p<.05)。PMRの実施による体験では,主に【リラックスの感覚】【気持ちのリフレッシュ】など,1日目は8カテゴリ,3日目は11カテゴリが抽出された。3日目は,あらたに【入眠の促進】【緊張の緩和】などが抽出され,また,【技法を用いるむずかしさ】の記録単位数は減り,【技法を用いることの容易さ】が増えていた。
結論:受動的筋弛緩法の3日間の実施によって,がん患者は緊張緩和を体験できるようになることが示唆された。