抄録
目的:地域在住の生活が自立している高齢者が,感染防止対策として講じられた外出自粛要請下において,健康を保持するために取り組んだ健康行動や生活上の困りごとを明らかにすることである。方法:65歳以上の高齢者201名を対象に無記名自記式質問紙調査を行い,自由記載を質的帰納的に分析した。結果:健康行動では,【身体活動】,【健康管理行動】,【認知機能トレーニング】,【趣味活動】,【ストレス解消や気分転換】,【感染対策の実施】の6カテゴリーが生成された。生活上の困りごとでは,【趣味・娯楽活動が実施できない】,【身体活動量の減少】,【日常生活が制限されている】,【社会活動が実施できない】,【衛生材料が入手できない】,【受診や見舞いができない】の6カテゴリーが生成された。結論:高齢者は身体活動や感染対策などの健康行動に取り組む一方で,公共施設の閉鎖などにより社会活動に参加できないことに困っていることが明らかになった。