抄録
目的:本研究の目的は,女子看護系大学生のBroad Autism Phenotype(BAP)の状況とコミュニケーション・スキル,看護実践能力との関連を明らかにすることである。方法:看護系大学4年生の女子199名に質問紙調査を行った(有効回答率78.0%)。内容は属性,BAPQ-J,ENDCOREs,看護実践力尺度とした。BAPQ-Jの得点を用いて階層クラスター分析を行い,群の判別にはROC曲線を用いた。群別に各尺度の得点を比較した。結果:対象者は,正常型,境界型,BAP傾向の高い型に,さらにBAP傾向の高い型は,打ち解けなさの低い型と高い型に区分された。BAP傾向が高い型はENDCOREsが,打ち解けなさの高い型は看護実践力尺度が有意に低かった。結論:BAP傾向が高い学生はコミュニケーション・スキルが低く,打ち解けなさの高い学生は看護実践能力の修得も困難であるため支援が重要となる。