論文ID: 20230608221
目的:本研究の目的は,人々の生活や価値観が多様化する現代の日本における「ソーシャルスキル」の概念構造への理解を深め,看護実践の質向上への示唆を得ることである。方法:Rodgers & Knaflの概念分析の方法を用い,複数の学問領域やメディアよりソーシャルスキルの先行要件,属性と帰結を抽出し類似性に基づいて分析を行った。結果:57の文献より「ソーシャルスキル」の先行要件となる【動機】など4つのカテゴリ,属性として【人間関係を円滑に運ぶスキル】など6カテゴリ,【円滑な人間関係の構築】といった帰結の5カテゴリが抽出された。結論:遠隔診療の普及など社会のニーズも多様化し,多様なニーズに合ったソーシャルスキルを身につけることが日本の看護職にとって重要となった。そうした背景を踏まえた,体系的なソーシャルスキル学習の方策を検討することが今後の課題となる。