論文ID: 20231128241
目的:熟練看護師が精神障害者の不眠について,どのような臨床判断を行っているのか,その内容を明らかにすることで看護師の臨床判断の基礎的資料を得る。方法:A県内の単科である精神科病院3施設に所属する熟練看護師13名を対象に,半構成的面接で得られたデータを質的に分析した。結果:精神障害者の不眠における熟練看護師の臨床判断は,【睡眠状態と日常生活全般のセルフケアを関連付ける】,【評価期間で得た主観的・客観的情報を統合し不眠を判断する】,【不眠の背景を把握し患者の対処能力を見極める】,【看護チームでニーズを見極めた向き合い方を考える】,【服薬コンプライアンスを意識して適正を評価する】,【睡眠状態と精神状態の相互関係を捉える】の6つのカテゴリーで構成された。結論:熟練看護師は,潜在的な不眠を探るための手がかりとして,とりわけセルフケアの視点に着目していたことが示唆された。