論文ID: 20240214243
目的:看護師が形成する死にゆく患者との心理的距離(以下,心理的距離)の要素を抽出し,心理的距離のタイプを明らかにすることである。方法:2つの医療施設に勤務する看護師18名を対象に,死にゆく患者との印象に残るエピソードについて,半構成的面接法にてインタビューを実施し,質的帰納的に分析した。結果:24のエピソードが語られ,心理的距離の要素として,〈患者についての理解〉〈患者への感情調整・思考〉〈患者への看護行為〉〈患者との一体感〉の4つが抽出された。これらの要素に特徴づけられたタイプとして,《主体的形成型》《感情遮断型》等の6つを示した。結論:心理的距離は,〈患者への感情調整・思考〉が核となり,他の3要素と関与し合いながら形成され,その過程には看護師の経験の積み重ね方が影響していると考えられた。看護師が自己の感情を含めて内省しながら経験を蓄積できる組織的支援の重要性が示唆された。