2009 年 29 巻 1 号 p. 78-80
2006年に策定された新しい診断基準「サルコイドーシス診断基準と診断の手引き-2006」を眼科の立場から評価した.新診断基準の検査所見に肺門リンパ節腫脹(BHL)が入ったことにより,臨床診断がつきやすくなった.一方,旧診断基準で「臨床診断群」であってもBHL陰性のため「疑い群」となった症例もあった.「疑い」症例と「臨床診断群」では,全身検査所見の陽性率に違いがみられた.が,眼所見頻度には差異が見られず,新「眼病変の診断の手引き」を使っても,眼病変だけではサルコイドーシスを診断することは不可能であった.新診断基準では,BHLを有するぶどう膜炎患者での臨床診断率は上がったが,BHL陰性例では未だ診断がつきにくいことが問題である.