日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム1
サルコイドーシスの新しい診断基準と診療ガイドラインをめぐって
四十坊 典晴山口 哲生
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 30

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抄録

サルコイドーシスは組織学的に乾酪壊死を伴わない類上皮細胞肉芽腫が証明され、さらに他の原因の肉芽腫性疾患の除外ができてはじめて診断される疾患である。本邦では眼病変と心臓病変の頻度が高く、また、眼と心臓は組織学的証明が非常に難しい臓器である。本症は医療費の助成対象となる特定疾患であったため、助成の基準を明確にするためにも明確な「臨床診断群」の規定をつくることが必要であり、厚労省の診断基準が 1976 年に作成され、一部改訂されたものが 2014 年まで使用されていた(2006 年には学会の診断基準が改訂されたが、厚労省(特定疾患)の診断基準は変更されることがないまま使用されていた)。2015 年 1 月から新たに難病法が施行される時期に指定難病であるサルコイドーシスの診断基準の刷新する予定とし、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会と厚労省のびまん性肺疾患に関する調査研究班(本間班⻑)とが合同で診断基準の再度の改訂を企画したのが 2013 年であり、重症度分類と合わせて、2015 年 1 月に新しい診断基準を確定することができた。本シンポジウムでは、新しい診断基準の包括診断基準の部分を解説し、新たに作成した重症度分類に関しても解説する。さらに、呼吸器、眼、心臓の領域から新しい診断基準を解説して頂く予定である。また、厚労省のびまん性肺疾患に関する調査研究班における「サルコイドーシス診療ガイドライン」作成に、日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会として全面的に協力する形で進行している。2016 年度までの完成を目指しており、その進行状況に関しても、全体像を解説した上で、呼吸器、眼、心臓の領域からも解説してもらう予定である。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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