日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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ランチョンセミナー
皮膚科医が提案する抗ヒスタミン薬のポジショニング
神戶 直智
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 47

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抄録

本学会で扱うサルコイドーシスに代表される肉芽腫性疾患に見られる皮膚病変は,基本的にはかゆみなどの自覚症状に乏しい皮疹であるが,通常,皮膚を侵す炎症性疾患の多くはかゆみを伴い,またかゆみの存在が患者を苦しめる。かゆみを伴う皮膚疾患に対して我々が日常診療で取りうる対応は,抗ヒスタミン薬に代表される内服薬と外用薬に大別される。湿疹病変に対しては外用薬が治療の主体となるが,外用指導が治療効果を大きく作用し,また抗ヒスタミン薬が効果を十分にあげるためにも適切な外用薬の使用が前提となる。一方,蕁麻疹に対しては,抗ヒスタミン薬の内服が第1選択となるが,その際には目の前の患者さんが示す臨床症状を,特発性の蕁麻疹と皮疹を誘発できるタイプの蕁麻疹とに分けて考える必要がある。かゆみを伴う皮膚疾患を診る上で考慮すべき,皮膚科医が提案する抗ヒスタミン薬のポジショニングについて紹介したい。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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