日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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Young Investigator’s Award 選考演題
サルコイドーシス患者における血清 Cathepsin S 濃度と臨床経過との関連
⻄村 眞樹山口 悦郎田中 博之髙橋 歩横江 徳仁浅井 信博松原 彩子小坂 顕司岡島 巖久保 昭仁
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2015 年 35 巻 Suppl1 号 p. 51-2

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抄録

背景:Cathepsin S (CTSS)は以前我々がサルコイドーシス肺胞マクロファージで強発現されている RNA の網羅的検索から見出し た血清マーカーである。これまで既存のマーカーと比較し、感度 が有意に優れていることを報告した。今回は臨床経過との関連に ついて検討した。 方法:対象は 40 名のサルコイドーシス患者で、約 1 年以上の間 隔で罹患臓器数の増減により経過を判定した。Wilcoxon 符号付き 順位検定で、2 回の変化を検定した。 結果:不変例(n=9)では CTSS 濃度も有意な変化がなく、自然改善 例(n=19)では有意に低下し、副腎皮質ステロイドの全身投与例 (n=7)でも有意に低下した。一方悪化例(n=5)では有意に上昇した。 ACE は自然改善例で CTSS 同様の変化を示したが、悪化例では必 ずしも病勢を反映しなかった。リゾチームは今回の対象では自然 改善例および悪化例ともに有意な変化を示さなかった。 考案:サルコイドーシスの血清マーカーはそれぞれやや独自の変 化を示し、今後詳細にそれぞれの意義を検討する必要がある。

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© 2015 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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