2022 年 42 巻 1_2 号 p. 33-37
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患である.肺病変を認めることが多いが,肺病変は急速に悪化する場合,肺病変が一時的に出現し,自然寛解する場合,慢性に経過し,ほとんど悪化を認めない場合や呼吸機能障害を呈する場合など,非常に多様な臨床経過が報告されている.進行性の肺サルコイドーシスではステロイド治療が適応となるが,その判断は非常に難しい.実臨床における肺サルコイドーシスの進行性をどのように評価し,治療適応,治療選択を行っているかを吸入ステロイド(適用外使用),低用量ステロイドを中心に解説する.