2018 年 24 巻 1 号 p. 13-17
口腔癌の治療法には外科療法,化学療法,放射線療法などがあるが,いずれの治療においても,口腔機能の低下や粘膜炎の発生など治療に伴う副作用が出現する。われわれは多職種と連携し口腔機能管理を行った左側舌癌の1例を経験した。患者は68歳,男性。左側舌扁平上皮癌の診断で手術と化学放射線治療が行われた。入院早期より口腔機能管理を開始し,また,嚥下と栄養をサポートするために多職種でカンファレンスを行い,情報を共有し専門的な支援を継続することで,退院まで口腔機能を維持し,治療を完遂することができた。