日本ペインクリニック学会誌
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症例
薬剤性過敏症症候群が疑われた1症例
宮田 妙子長谷 一郎舟尾 友晴中西 美保飯室 慎祐狩谷 伸享西川 精宣浅田 章
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2008 年 15 巻 1 号 p. 14-17

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抄録

フェニトインによると思われる薬剤性過敏症症候群の症例を経験したので報告する.60歳代の女性で,カルバマゼピンによる薬剤過敏症症候群の既往があった.三叉神経痛の治療のためにフェニトインを服用し,23日目に全身に皮疹が発現した.38度以上の発熱があり,トランスアミラーゼが上昇し,異型リンパ球が発現した.ヒトヘルペスウイルス-6に対する抗体価は明らかに上昇してはいなかった.フェニトインの中止後に,ステロイドを使用することなく,全身症状は改善した.フェニトインによる薬剤性過敏症症候群の軽症例と考えられた.

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© 2008 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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