2009 年 16 巻 1 号 p. 30-37
ペインクリニック治療指針改訂第二版の改訂にあたり,日本ペインクリニック学会員全員にその利用状況のアンケート調査を行った.回答が得られたのは,全送付数4,002通のうち243通であり,回収率は6.1%であった.回収されたアンケートの年齢別分布,ペインクリニック従事経験年数別分布,専門医の占める比率から,アンケートの結果はペインクリニックの第一線の臨床現場で活躍している医師の意見を反映するものと判断された.主たる診療形態が神経ブロック療法であるものは161通,66.3%であった.神経ブロック法を中心とした第二版は114通,46.9%で使用されていたが,第二版を有用以上とするものは171通,70.4%であった.アンケートの集計結果から,治療指針は学会として必要なものであること,第三版では冊子の体裁を変更して存在感を出すこと,第二版記載以外の神経ブロック法,疾患・疼痛を追加記載すること,神経ブロックの解剖と生理の内容を充実させること,薬物療法を新たに記載すること,第二版で参照頻度の高いあるいは低い20疾患・疼痛について,高いものは神経ブロック法の科学的根拠がより確実な文献の収集とそれらに基づく治療指針にすること,低いものは文献追加記載による内容の充実を図るか削除することが必要であることが示された.