日本ペインクリニック学会誌
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日本ペインクリニック学会用語委員会報告
Neuropathic painの和訳-日本ペインクリニック学会・用語委員会報告-
日本ペインクリニック学会用語委員会寺井 岳三長櫓 巧西江 宏行有田 英子表 圭一鈴木 孝浩中谷 俊彦藤井 善隆森脇 克行
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2009 年 16 巻 4 号 p. 509-514

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抄録

Neuropathic painは,ペインクリニック用語集第2版で,神経障害(因)性疼痛,ニューロパシックペインと和訳されているが,他の用語集ではニューロパチックペイン,ニューロパシー性疼痛と和訳されている.そこで,日本ペインクリニック学会・用語委員会は,用語集第3版でneuropathic painの和訳をどのようにすべきか検討した.医学辞典でneuropathyはニューロパシーおよび神経障害と和訳され,neuropathicで始まる言葉は神経障害性と和訳される場合が多い.医学中央雑誌のウェブ検索では,1991年から2008年まで神経因性疼痛の使用頻度が最も高く(66.5%),神経障害性疼痛(15.3%),ニューロパシックペイン(4.7%)であったが,2008年には神経障害性疼痛が著増(47.4%)し,神経因性疼痛は減少(48.5%)した.この神経障害性疼痛の使用頻度増加は,より的確な和訳語を使用することになったためと考えられる.医学辞典の和訳および現在の言葉の使用状況より,用語委員会ではneuropathicを神経障害性と和訳することを提案する.

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© 2009 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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