日本ペインクリニック学会誌
Online ISSN : 1884-1791
Print ISSN : 1340-4903
ISSN-L : 1340-4903
症例
特発性first bite syndromeに対して星状神経節ブロックが有効であった症例
黒川 博己竹崎 亨川口 稜示中尾 三和子佐藤 暢芳采谷 英男宮崎 明子蜂須賀 瑠美子
著者情報
ジャーナル フリー

2010 年 17 巻 1 号 p. 17-20

詳細
抄録
First bite syndrome (FBS) は耳下腺部に痛みを生じるもので,その痛みは食事の1口目が強く,食事を進めるに従い低下する.星状神経節ブロック(SGB)で特発性 FBSの痛みが完全に消失した症例を報告する.症例は30歳代の男性で,主訴は食事ごとの右耳前部痛であった.右の副咽頭間隙の手術を受けたことはなかった.半年前から右耳前部痛が出現し,数種類の薬剤を服薬したが,痛みは軽減せず,痛みのために食事が不可能となり,経腸栄養剤とジクロフェナクを処方されていた.初診時に,痛みは視覚アナログスケールで,食事の1口目が80 mm,食後痛は100 mmであった.SGBを5回施行した時点で痛みは変化しなかったが,SGBを6 回施行後から食後痛が軽減し,1口目の痛みは遅れて軽減し.16回施行後には,無痛となった.治療終了2年半の現時点で,痛みは再発していない.
著者関連情報
© 2010 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
前の記事 次の記事
feedback
Top