日本ペインクリニック学会誌
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症例
月経関連片頭痛に対するナラトリプタンの効果と問題点
下畑 敬子下畑 享良小野 哲茂木 僚一郎石倉 秀昭宮下 興
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2014 年 21 巻 2 号 p. 129-132

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抄録

【目的】ナラトリプタンによる月経関連片頭痛に対する治療効果と問題点について検討する.【方法】対象は2008年6月から2010年1月の間に,ナラトリプタン2.5 mgにより治療を行った月経関連片頭痛患者16名とした.観察期間中における継続率,有効率,副作用について後方視的に検討した.【結果】継続率は14/16名(87.5%)であった.有効が14/16名(87.5%),無効が2/16名(12.5%)であった.重篤な副作用はなかった.継続した理由は,(1)再発率が低く経済的である,(2)副作用がない,があげられた.一方,継続できなかった理由は,(1)悪心・嘔吐で内服できない,(2)効果発現までの時間が長い,があげられた.【結論】月経関連片頭痛に対するナラトリプタンは,継続率,効果とも良好で,重篤な副作用もなかったことから,月経関連片頭痛に有用であると考えられた.一方,悪心・嘔吐のため内服困難であることや,別種類のトリプタンを状況に応じて使い分けている患者がいることもわかり,トリプタン製剤の使い分けなど,外来における患者指導が重要であると考えられた.

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© 2014 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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