2014 年 21 巻 4 号 p. 528-531
エピドラスコピー後に硬膜外血腫を生じた症例を経験した.症例は78歳の女性で,腰椎変性すべり症に対してエピドラスコピーを施行した.エピドラスコピー中には明らかな出血はなかったが,エピドラスコピー後より下肢の痛みが増強し,下肢の麻痺と排尿障害が出現した.MRIで広範な硬膜外血腫を認め,緊急椎弓切除術を施行し,下肢の麻痺は改善した.エピドラスコピー後に腰背部や下肢の痛みが出現した場合は,硬膜外血腫を念頭に厳密に神経所見を観察し,麻痺が出現したときは早期の検査と治療が必要である.