抄録
持続末梢神経ブロックは,関節手術や開腹・開胸手術など高侵襲手術の術後や,リハビリテーションなどで長期間の鎮痛を必要とする場合に行われる.長期間のカテーテル留置により,先端の位置異常や事故抜去による効果不良,刺入部からの薬液漏れなどの問題が起こってくる.われわれは,リハビリテーションを目的とした持続末梢神経ブロックを行い,先端の位置異常や事故抜去を経験した.カテーテルの固定方法を改良すること(刺入部の針糸固定と医療用接着剤,ドレッシング剤の併用)で,長期間のカテーテル留置が可能となった.リハビリテーションにおける持続末梢神経ブロックでは,カテーテルの挿入方法と挿入部位,さらに固定方法に工夫が必要である.