日本ペインクリニック学会誌
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症例
オキシコドン経口剤から注射製剤への剤型変更で円滑に周術期管理を行えた1症例
伊原 奈帆小杉 志都子橋口 さおり若宮 里恵西村 大輔森﨑 浩
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2016 年 23 巻 1 号 p. 25-28

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抄録
49歳,男性.斜台原発脊索腫術後再発頸髄腫瘍摘出術が予定された.両下腿痛を主体としたがん性痛に対してオキシコドン徐放剤を30 mg/日,レスキューにオキシコドン速放剤5 mg/回を内服していた.術後内服困難となるため,術後はオキシコドン注射製剤による経静脈的自己調節鎮痛法(intravenous patient-controlled analgesia:IV-PCA)(持続投与24 mg/日,ボーラス投与1 mg/回)で術後痛管理を行った.術後24時間のオキシコドン注射製剤総使用量は,術前のオキシコドン剤1日使用量と同等であった.術後は,頸部の創部痛が主体であったが,numerical rating scale(NRS)2/10で推移し良好な鎮痛管理をすることができた.また過鎮静,嘔気・嘔吐,呼吸抑制などの副作用も認めなかった.3 post operative day(POD)にIV-PCAを終了し術前同様のオキシコドン内服を再開したが,剤型変更も円滑に行うことができた.オキシコドン注射製剤が使用可能になったことにより,術前からオピオイドを使用している患者の周術期管理がより円滑に行える可能性が示唆された.
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© 2016 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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