日本ペインクリニック学会誌
症例
帯状疱疹に合併した上肢運動麻痺に対してくも膜下ステロイド注入療法の効果が示唆された1症例
中尾 謙太森本 賢治兵田 暁藤原 俊介南 敏明
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24 巻 (2017) 1 号 p. 38-42

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抄録

帯状疱疹はまれに運動神経障害を合併することがある.今回,抗ウイルス薬を発症早期に投与されたにもかかわらず,右上肢運動麻痺をきたしたが,集学的治療により早期に回復した症例を経験したので報告する.症例は,69歳,男性.右C5,C6領域に痛みを伴う皮疹が出現し,右上肢帯状疱疹と診断され,抗ウイルス薬の内服治療を受けたが,発症1週間後に右肩の挙上・外転困難が出現したため当科紹介受診となった.理学所見として,徒手筋力テストで,右側三角筋1,上腕二頭筋3と著明な低下を認めた.帯状疱疹に合併した右C5,C6神経根障害と診断し,くも膜下ステロイド注入療法,持続硬膜外ブロック下に理学療法を入院下に行った.入院期間は4週間で,退院後も通院加療を継続し,発症21週間後に筋力は正常に戻った.帯状疱疹による分節性運動麻痺の機能予後は良好であるが,その期間は1~2年かかると報告されている.発症早期にくも膜下ステロイド注入療法,持続硬膜外ブロック下に理学療法を行うことで,機能予後の改善と麻痺期間の短縮が期待できると考えられた.

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© 2017 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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