日本ペインクリニック学会誌
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発症後長期間を経過しペインクリニック外来で診断を行ったリウマチ性多発筋痛症の1症例
野村 正剛田中 益司中筋 加恵今中 宣依徐 舜鶴仲村 光世中筋 正人
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論文ID: 11-0017

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抄録
原因不明の筋骨格系の痛みにより当科を受診し,継続治療中の症状増悪時に確定診断を行った,リウマチ性多発筋痛症症例を経験したので,報告する.60代男性で,胸背部に帯状疱疹を発症して以後,頸,肩,上腕痛が出現した.17年間症状が遷延したが,画像所見や血液検査では痛みの原因となる明らかな異常はなく,原因疾患の診断は未確定だった.当科受診後,星状神経節ブロックやトリガーポイント注射と薬物療法で症状は徐々に軽減したが約半年後に痛みが増悪し,その際に上腕部把握痛,CRPおよび赤沈の亢進があった.リウマチ性多発筋痛症を疑い少量ステロイドの内服を開始したところ,短期間ですべての症状が消失した.ペインクリニック外来において遷延する筋骨格系の痛みを治療する際には,多様なリウマチ性疾患も念頭に置き,継続的な観察と十分な身体診察をこころがける必要がある.
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© 2013 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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