日本ペインクリニック学会誌
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ペインクリニシャンによる認知行動療法的な治療が有効であった慢性術後痛を呈したエチゾラム依存症の1症例
洪 淳憲川端 真仁大石 正隆荒木 ひろみ上野 由衣河西 稔
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論文ID: 11-0045

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抄録
ペインクリニシャンによる認知行動療法的な治療により,痛みが軽減し,多量の抗不安薬依存から離脱できた慢性術後痛の症例を報告する.症例は47歳,女性.5年前に胆石症にて胆のう摘出術を受け,以後腹部に痛みを生ずるようになった.痛みは持続的であり,時に発作的に増悪するため,他院ペインクリニック受診に加え,しばしば他院救急外来をも受診していた.当科受診時には抗不安薬であるエチゾラム(0.5 mg)を1日最高12錠服用していた.当初は持続硬膜外ブロック,局所直線偏光近赤外線照射を行ったが,痛みはほとんど軽減しなかった.慢性痛に伴うエチゾラム依存症と判断し,初診6カ月後に認知行動療法的な治療を導入した.その結果,エチゾラムの服用が徐々に少なくなり,表情も明るさを取り戻すようになり,導入6カ月後には痛みが軽減し,エチゾラムの多量服用から離脱できた.
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© 2013 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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