論文ID: 15-0042
症例は54歳,男性.腰椎椎間板ヘルニアで薬物治療中に,腰椎化膿性脊椎炎を発症した.抗菌薬の治療により炎症反応は正常化したが,体動時の強い腰痛が3カ月以上遷延し,座位保持や歩行が困難であった.感染コントロールの評価のため椎間板生検を行ったが,その際に椎間板性の腰痛への治療効果を期待して,経皮的椎間板摘出術・ラジオ波焼灼術を同時に施行した.原因菌は検出されなかったが痛みは軽減し,日常生活動作は著明に改善した.一般的に既感染または感染部位への侵襲的な痛み治療は推奨されないが,今回は,長期にわたる経過や本人の強い治療希望,社会的背景なども踏まえて治療を行い,良好な経過であった.