日本ペインクリニック学会誌
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痛み診療の現場における2018年1年間の有害事象について―日本ペインクリニック学会安全委員会調査報告―
日本ペインクリニック学会安全委員会前田 愛子山田 信一田中 信彦益田 律子關山 裕詩津田 勝哉中塚 秀輝山蔭 道明
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論文ID: 20-0014

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抄録

日本ペインクリニック学会安全委員会では,2009年より有害事象調査を行っている.本稿では2018年の1年間にペインクリニック専門医指定研修施設で発生した有害事象についての調査結果を報告する.【方法】国立大学病院長会議医療安全管理協議会の定めた「インシデント影響度分類」のレベル3a以上およびその他(社会的問題)を報告対象とした.また,レベル3b以上は重大な有害事象として詳細な報告を求めた.【結果】98%の施設から回答が得られた.鎮痛薬・鎮痛補助薬に関する有害事象:25件の報告のうち,重大な有害事象としてレベル3b,レベル5,その他の社会的問題がそれぞれ数件ずつ報告された.神経ブロック・インターベンショナル治療に関する有害事象:145件の報告のうち,重大な有害事象としてレベル3bが44件,レベル4a,レベル4bがそれぞれ数件ずつ報告され,レベル5の報告はなかった.例年よりも手術療法に関連した報告が増加した.【結語】有害事象情報を学会員間で共有し,痛み診療における危機管理意識向上と有害事象の再発防止を促したい.

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© 2020 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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